>  > ゴールドエンブレム

ゴールドエンブレム

『詩経』には男女の愛や結婚に関する歌謡が多く収められている。二千年間の儒教的解釈の後、近代になって宗教学的・民俗学的解釈も生まれた。しかし内容に偏する余り、この解釈も行き詰まった感がある。本ブログでは表現形式、特に言葉そのものに主眼を置き、言語学的・詩学的解釈をめざす。この手法によって古代人の心理のひだに分け入り、愛の諸相を読み解く(訓読・翻訳はほぼ学研・中国の古典『詩経』に依拠) ACRE ブレーキパッド ■アクレ レーシングプロ フロント 【品番:656】 スバル アウトバック BPE 03.10~09.5 要車検証。

ユーノスコスモ/マツダ/H2.4~H7.8/JC系■ハロゲンヘッドライト球交換■H4タイプ■ブルー■2個入り■定格60/55W■小糸製作所カラコン バルブ コレクション■発光色は白色■電球
将仲子ショウチュウシ篇―詩経国風・鄭風

將仲子兮   将こふ仲子チュウシよ       ねえお願い 仲子さん
無踰我里   我が里を踰こゆる無かれ     私の村を越えて来ないで
無折我樹杞  我が樹ゑし杞キを折る無かれ    私が植えたやなぎを折っちゃだめ
豈敢愛之   豈あに敢へて之を愛をしまんや  やなぎが惜しいわけじゃなく
畏我父母   我が父母を畏る       両親に見つかるのが恐いのよ
仲可懷也   仲も懐おもふべき也         あなたは慕わしいかたですが     
父母之言   父母の言も         両親のことばも
亦可畏也   亦畏るべき也        ほんとに恐いもの

將仲子兮   将こふ仲子チュウシよ      ねえお願い 仲子さん
無踰我牆   我が牆かきを踰こゆる無かれ   私の垣根を越えて来ないで
無折我樹桑  我が樹ゑし桑を折る無かれ   私が植えたくわを折っちゃだめ
豈敢愛之   豈敢へて之を愛をしまんや   くわが惜しいわけじゃなく
畏我諸兄   我が諸兄を畏る         兄たちに見つかるのが恐いのよ
仲可懷也   仲も懐おもふべき也      あなたは慕わしいかたですが     
諸兄之言   諸兄の言も           兄たちのことばも
亦可畏也   亦畏るべき也           ほんとに恐いもの

將仲子兮   将こふ仲子チュウシよ      ねえお願い 仲子さん
無踰我園   我が園を踰こゆる無かれ     私の園を越えて来ないで
無折我樹檀  我が樹ゑし檀ダンを折る無かれ  私が植えたまゆみを折っちゃだめ
豈敢愛之   豈敢へて之を愛をしまんや      まゆみが惜しいわけじゃなく
畏人之多言   我が人の多言を畏る      他人の噂話が恐いのよ
仲可懷也   仲も懐おもふべき也      あなたは慕わしいかたですが     
人之多言   人の多言も            他人の噂話も
亦可畏也   亦畏るべき也        ほんとに恐いもの

〈形式分析〉
Ⅰ~Ⅲ 1將仲子兮
    2無踰我[a]
    3無折我樹[b]
    4豈敢愛之
    5畏我[  c ]
    6仲可懷也    
    7[ c ]之言
    8亦可畏也

 

    Ⅰ

    Ⅱ

    Ⅲ

     a

里   liəg

牆   dziang

 園     ɦiuăn 

ゴールドエンブレム HELMET

     b

杞   kiəg

桑   n(s)ang

 檀           dan

     c

父母  muəg

諸兄  hiuăng

 (人之多言) ngiăn

 (パラディグム表)


2・3・5・7の詩行でパラディグム(同系列語)を変換しつつ三回反復する形式。1・4・8は一字も換えないリフレーン。またⅢーcだけが句形が変則になっている。
縦の列(Ⅰ~Ⅲ)はそれぞれ音声上の類似性のパラディグム。差異の中に類似を見出し、異世界(意味領域の異なる存在)を結びつける。古典漢語は語尾(韻尾)が整然とした体系をなすので、パラディグムが豊富である。形式美の根源の一つがここにある。詩経の詩学は後世の詩学のモデルとなった。
横の列(a・b・c)は意味上の類似性のパラディグム。aは場所を表す語。里(村里、町)は範囲が広い。牆(屋敷を取り巻く垣)はその中にある。園は屋敷の中にある。里→牆→園の変換は段々と範囲を狭くしていく空間移動を表している。
bは植物の名前。杞は里の境界に植えられ、桑は屋敷の周りに植えられ、檀は園の周りに植えられている。杞は里への侵入をぐせぐガードであり、桑は屋敷への侵入をふせぐガードであり、檀は家への侵入をふせぐガードの役割をもつ。しかし空間移動の手法によって、男は村を突破し、牆を突破し、園の中へ侵入してきたことが分かる。家の中へ侵入していくことは次に予想される事態である。
cは人間に関する語。父母や諸兄の叱責や他人の噂が恐いと言いながら、次々と侵入を許している。「~するな」という拒絶をものをもせず男は女のいる部屋に近づいていく。拒絶や禁止は誘いの文句であった。

〈語釈〉
〇將・・・「あさどうぞ」と願望を表すことば。請と同義。
〇仲子・・・男の兄弟を伯(長男)・仲(次男)・叔(三男)・季(末子)の順にこのように呼ぶ。仲子や仲は女が親しく恋人を呼ぶことば。次郎さんといった感じである。
〇兮・・・リズムを調節する詞。
〇杞・・・ヤナギ科の落葉低木。Salix purpurea。コリヤナギ。枝が粘り強く、行李などを編む用途がある。また土を固めたり、造林などにも利用された。
〇里・・・村里。古代中国の村里・町・都城は塀で囲って造営された。
〇愛・・・愛する(大切に思う)という意味のほかに、大切にして手放すのが惜しいという意味にも使われる。愛惜の愛である。
〇懷・・・心に大切にいだく。慕わしく思う。
〇牆・・・石や土で築いた垣。
〇桑・・・中国原産のクワ科の樹木。Morus alba。 マグワ。葉は蚕の飼料となる。養蚕は女性の労働で、クワは太古から栽培された。
〇諸兄・・・同胞だけでなくいとこも含めて、同世代に属する年長のものはすべて諸兄である。
〇園・・・周りを囲って果樹や野菜を植える庭園。
〇檀・・・ニレ科の落葉高木。Preroceltis tatarinowii。中国北部に分布する。建築材や農具・車輌などの用途がある。「まゆみ」は国訓であるが和名がないので、仮に「まゆみ」と訳す。
〇多言・・・あれこれと言うこと。おしゃべり。うわさ。